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蓄膿症と漢方薬

中医学では鼻淵といいます。蓄膿症の症状には黄緑色の鼻が出る膿性鼻汁、後ろに鼻が出る後鼻漏、鼻閉、匂いが分からない嗅覚障害さらには顔が痛いさらには眼窩蜂窩織炎を引き起こす。冬になると顔がまた痛くなったいう人がいる。外科的治療と漢方薬以外にはマクロライド系抗生物質の長期少量療法もありますが最近のマイコプラズマ肺炎の流行で分かったことはマイコプラズマにマクロライドが効きにくくなっていることです。原因としては風熱の邪や風寒の邪が入る。普通の風邪との違いは臓器特異性でないだろうか。鼻という臓器に特異的に邪が入ることです。西洋医学ではのどからウイルスが入ると考えるのが普通ではなかろうか?傷寒論では何と首の後ろからウイルスが入ると考えたからすごい。あと出てきた温病学は口からウイルスが入ると考えた。より西洋医学に近い発想です。風腑や風池から者が侵入するなんて思いつかない。風熱と風寒の症状の差は何か?最初ぞくぞくするのが風寒です。最初から熱いのが風温や温病における邪です。ぞくぞくすることを漢方薬の世界では悪寒といいます。慢性化することを化熱といいます。蓄膿症に対し耳鼻科の中では処置が大きな位置づけだそうです。上顎洞や篩骨洞など副鼻腔の出口が炎症やそれに伴う浮腫で詰まることが蓄膿である。処置で治るのが市番だと思います。されど漢方薬も捨てがたい領域です。

ドライアイの悪循環

ドライアイの悪循環とはなんのことでしょう。言葉を変えると「コアメカニズム」のことです。コアメカニズムのコアとは核です。核となる機序です。ヒアレイン点眼液発売当時患者さんが受診時大阪の大学病院にお持ちになりそこでよい目薬をお使いですねといわれ御本にが嬉しそうであった。今やそのヒアレイン点眼液も水分子を引き寄せるだけの補水剤、良くても眼表面の涙液層の安定性の低下改善剤ということになっている。それに対しジクアス点眼液はP2Y2受容体に作用し、結膜上皮細胞から水分、結膜杯細胞から分泌型ムチンの分泌を促進します。さらには眼表面に膜型ムチンを分泌したり、上皮の水濡れ性を改善する可能性があります。ドライアイの悪循環をドライアイの「コアメカニズム」といいます涙液層に安定性を与える薬それがジクアス点眼液です。ジクアス点眼液は水とムチンの両方を分泌します。TFOT〔tear film oriennted therapy〕時代が日本のドライアイ治療の中心となりそうです。涙液層の安定性に注目するのが日本流、涙液層の浸透圧に注目するのがアメリカ流です。日本ではドライアイに免疫抑制剤を用いるとなると大きな手交換を持つ日が多いことであろう。