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冬の養生と冷え症

漢方薬の処方を求めてこられた方から養生について聞かれました。冬場の「冷え症の体質改善」についての養生法です。冬場の冷え症の体質改善には温腎陽と補腎陰が基本です。腎陽とは全身の陽気の源です。そのためには、まず、果物は控えることです。水分が多く冷えにつながります。沖縄でよくとるものやたべるものには冷やすことが多く、北海道でとれるものや食べるものには体をあたためるものがおおい。つまり、ジンギスカンのようなヒツジの肉は体を温め、豚肉はその逆です。果物は水分が多く冷やすものが多い。果物は控えるべきです。また、果物は血糖上昇作用が大きい。冬は24節気の立冬から立春のまえまでです。陰が盛んで陽が衰える時期です。冬には腎が活性化するようになり正気が蓄えられる。腎は醎味につながります。塩辛い味がが醎味です。塩辛い味は現代医学の腎臓では悪い味です。中国の昔の人は醎味は腎を調節すると考えました。冬にはクルミ、エビ、ニラ、ゴマ、ホタテで腎を補うことが大切です。お茶はできるだけ発酵させたものをお勧めします。紅茶やウーロンチャです。保存食は塩分が多く昔は塩辛いものを多く摂取する人が多かった。そこで醎味について思いついたのだろう。

漢方エキス製剤で眼科に適応病名がある処方

漢方エキス製剤で眼科に適応病名があるものを調べてみました。すべてのメーカーで適応病名があるものはアレルギー性結膜炎です。そのくすりの名は小青龍湯です。後は会社により適応病名が違います。牛車腎気丸と八味地黄丸が「老人のかすみ目」です。充血はコタローの苓桂朮甘湯、急性結膜炎・フリクテン性結膜炎・翼状片は越婢加朮湯、角膜炎・結膜炎は葛根湯、眼精疲労は桂枝加竜骨牡蠣湯があげられます。会社によりまったく適応症が違います。小青龍湯はあとから付け足したそうですから別格です。なぜこんなに会社により適応症が眼科領域は違うのでしょうか?こんなに方剤と病名が一致しないとエビデンスレベルが低いですね。