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アトピー性皮膚炎でステロイドを使いたくない

ステロイド外用薬を塗ると治るのが湿疹です。私のところでは何とか漢方薬でとステロイド外用薬を忌避する方が多い。そして皮膚が黒くなるのは適切なステロイドを塗布しなかったからであると説明し、患者さんは当たり前のことにびっくりします。色素沈着は取れると皮膚科でいわれたがいつ取れるか、いつかは取れますよとお話しします。最近皮膚が乾燥しているからでしょうか?空気が乾いているからでしょうか、皮膚の異常を訴える患者さんが多いです。ところでスキンケアに用いる化粧品と薬の違いは何でしょうか。成分が薬では決まっています。セラミドが入れば薬ではありません。妊娠中や授乳中に食事制限をお母さんがしてもアレルギーマーチは防ぐことはできません。そして今経皮感作という概念が広まった。表皮角層の天然保湿因子NMFの低下とNMF産生の原料となるフィラグリン遺伝子異常が多いことが常識となって久しい。FILAGLIN POINT MUTATIONについて初めて聞いたのは8月のアレルギー学会の専門医講習会でした。名古屋の大学の皮膚科の教授だった。たいへんまとまった話でびっくりした。そして感動した。ステロイド外用薬を塗布するなら1FINGER-TIP-UNITは軟膏やクリームの量決めるためにもっともらしく使われています。

e-learningとアシテアダニ舌下錠

シオノギ製薬のアシテアダニ舌下錠はシダトレンの講習会が受講済みの医師はe-learningだけでよいそうです。良かった、アシテアダニ舌下錠の講習でまた東京に行かなければならないところでした。アレルギー学会でアシテアダニ舌下錠のランチョンセミナーに参加しました、ダニのSCITはアナフィラキシーが怖くて手を出せない。ダニのSCITは52週の間に4人、さらに58週と63週の方を加えて6人のアナフィラキシーが報告されている。ダニのSLITは一億回に一回だそうです。しかし、プラセボでも効く人がいる。CARRY OVER効果つまり一年間投与すると一年投薬をやめても効果持続するということが言われています。第二による鼻炎は4徴つまりくしゃみ鼻水、鼻閉、鼻内掻痒感に対して2か月で効果が出るそうです。目のかゆみはシダトレンと同じで効果は期待できないそうです。課題は大規模スタデイによる効果と副作用の検証、バイオマーカーを確立することだそうです。つまり免疫療法の効果の持続については更なる検討が必要だそうです。シダトレンご希望の方がそろそろお越しになっています、12歳以上ですからね。お間違えなきようお願いします。12歳に12月になれば可能ですよ。

専門医制度改革

専門医制度改革の影響が各学会に及んでいる。今後は学会人てではない専門医に変わる。どのように変わるかは見えては来ない。眼科でいえば眼科学会があり眼科医会がある。他の診療科では学会しかありません。アレルギー学会では学会の総会が年に二度から一度に変わった、5年間で一回は参加する必要があるのはいずれの学会も同じです。しかし専門医講習会が迷走している。遅刻早退で減点していたものが参加証を置いて帰り、後日単位数が決まるそうです。おそらく自分の単位数が満ちたからと早退するあるいは自身の単位を計算して遅刻する方がいることが理由の一つと思います。産業医講習会でも同じです、自分の欲しい単位を取得すると帰る人が少なくない。私は労働衛生コンサルタントなので産業医の講習会は関係ないが法律やストレスチェックテストについて関心があるので産業医学振興財団のものには参加します、これも途中で帰宅する方が多い。20単位になったところで帰っている人が多い。5月28日は休診でした、朝6時ののぞみで東京へ行きました。アレルギー学会のアレルギー専門医講習会が午後4時45分まで行われた。次は8月にまた東京でアレルギー学会専門医講習会です。

成人肺炎球菌の最新話題

成人肺炎球菌ワクチンの最新情報ー小児肺炎球菌ワクチンが及ぼす影響と成人肺炎球菌ワクチンの定期接種導入という講演会に参加した。肺炎球菌には90種類の亜型があるそうです。昨年秋ぐらいから小児肺炎球菌ワクチンPCV7あるいはPCV13の接種が世界中で普及しています。PCV7やPCV13はアジュバントワクチンです。定期予防接種で小児はPCV13を4回接種です。SERO REPLACEMENTは本当におこっていました、肺炎球菌は眼科領域でもレボフロキサシンが弱いとされています。したがってセフェム系の抗生物質が優位とされています。費用対効果から平成31年からは65歳の方が順番に肺炎球菌ワクチンの接種を受けることになります。2014年ACIPの推奨はPCV13とPPSV23は同格ということになっています。PCV13は免疫原性が高い。両方のワクチンを接種するとよいとの話もある。何と言ってもPCVは免疫力の持続だとのことです。PCV13は子供が4回PPSV23が大人に一回というのは不思議な気がします。

クレームの処方箋

クレームの処方箋ー医療接遇の基本という講演会に参加しました。接遇の遇はもてなすとの意味です。なるほど。タイトルが受けたのか講師の先生が人気なのかわかりませんが事前申し込みでいっぱいになりました。以前からお話を聞いてみたいと思っていた講師です。各医療機関でクレームがそれだけ多い、あるいは困っているのでしょう。CLAIMとCOMPLAINはどう違うか?接客と接遇はどのように違うか。初回来院患者さんは何処もトラブルが多い。逆に療養病棟のようなところではトラブルがないとさえ言われた。お金にまつわる話が増えている。困っているのは何処も同じで同一の患者さんについてきた複数のお子供が暴れる、親は注意しない、男親が来ても注意しないし面倒見きれない、どのように対処すべきか?あっという間に時間が過ぎました。今月は土曜日も日曜日も忙しすぎる。患者さんとはわずか7秒で印象が決まるそうです。何時も来てくださる患者さんがおっしゃることはありがたい忠告です。初回来院の患者さんがいろいろある、どこの医療機関も同じだそうです。ひとはみな満足は当たり前、不満足に敏感です。

ヘパリン類似物質とにきび

にきびに思ったほど過酸化ベンゾイル製剤のべピオは効かない。1パーセントクリンダマイシンと3パーセントBPOを配合したデュアック配合ゲルも12週以上使ってはいけない。そこで保湿剤による皮膚の修復が必要です。ヘパリン類似物質の先発品はヒルドイドです。後発品はいっぱいある。例えばヒルドイド1本薬価が1200円、後発品では500円です、先発品には高い薬価がついている。では特性は油性クリームでは油中水型クリームです。更に温度変化による高度変化が少ない剤型です。ローションはといえば低刺激です、外用スプレーもあります、溶液性ローションのスプレーです、さらに低刺激を追及しています。乾燥肌に保湿はスキンケアの基本です。脂性肌は液性剤がよいそうです。ワセリンとヘパリン類似物質を混ぜるのは相性がわるいようです。保湿剤の剤型ですが使用性は液剤、軟膏と言ってもクリームが基剤になっていることがある。基剤により有効性と皮膚刺激が違う。思春期のにきびには刺激が少ない者でも成人では皮膚刺激がある、毛穴を詰まらせないオイルフリーノンコメドジェニックな化粧品と言ってもメーカーが作った用語のようです。

皮膚を掻く

皮膚がかゆくなると皮膚を掻く、子供であれば「かくな」と保護者が怒る。怒って治るなら怒ればよい。その対策に手袋すると手の発達が遅れると昔から言われています。爪を切る方がよいと思うのはわたしだけでしょうか。何が掻くと起るのか?物理的には炎症を起こす、皮膚のバリアが壊れるさらには末梢神経を刺激する。二次的に増悪する。必要以上の掻く行動がかゆみを増す。湿疹はもともとかゆいものである。湿疹とは表在性の皮膚の炎症です。代表はアトピー性皮膚炎と接触性皮膚炎です。皮膚のかゆみに内服薬を使いますが嫌なのはINPAIRED PERFORMANCEです。だるい。抗ヒスタミン薬は覚醒か睡眠かというと徐派睡眠をふやします、つまり第一世代抗アレルギー薬では眠くなっても睡眠の質が低下します。REM睡眠が減るすなわち睡眠の質が悪化する。つまり寝る前であっても第一世代抗アレルギー薬の服用は避けるべきです。さらには脂溶性が高く、脳内への以降がよいものは肥満を起こす。抗うつ薬でも太る。1910年にHISTAMINEは発見されました。もう100年以上も前の話です。

食物アレルギー

来週はアレルギー学会です。5月28日木曜日は休診です。茶のしずく石鹸以来、経皮感作は当たり前の考え方になりました。最近注目される食物アレルギーとしては加水分解小麦、カンパリソーダやカンパリオレンジなどのカクテル、口紅によるカンパリアレルギー、クラゲ刺傷による納豆アレルギー、コンポネントとして小麦のグルテンを構成するω―5グリアジンが共通抗原になっている、ピーナッツの貯蔵蛋白Ara h2〔2Sアルブミン〕は保険適応がある。生まれてこのかた食べていないのになぜ食物アレルギーになるか?母乳を与えているとき、妊娠がわかった時アレルゲン除去食を母体が実施しても良い結果は得られないのはなぜか?世の中の長い間の疑問でした。茶のしづく石鹸の問題から大いに発展しました。そこから食べて治す食物アレルギーに発展しました。最近は食物アレルギーを食べて治す取り組みが進められている。タンパク質を壊すために熱を加えたものを少しずつ食べるのが食べて治すアレルギー食の世界です。今日は接遇研修の司会です。予約で超満員になっています。キャンセル待ちです。

お高いイメージです

漢方薬ってお高いイメージですと若い女性患者さんから言われてしまった。時期を同じくしてまた以前同様に漢方薬の薬価削除の話が登場しました。週刊誌も保険適応から外れたら今の3杯お金がいると書いていました。もし保険から外れたら5倍以上になるでしょう。なぜなら薬価がなくなるということは各社自分の好きな価格は付けられます。手術をしないわたくしどもの眼科に来る患者さんはアレルギー疾患や心の薬や睡眠薬から離脱したいと思う患者さんが多い。私のところは漢方薬を服用したいと思ってくる人と単に近いからという患者さんに分かれるから難しい。漢方薬って保険が適応にならないと月20000円ぐらい覚悟しないといけない。特に動物生薬が入るとお安くない。高い、医療用漢方エキス製剤で動物性生薬配合はセミのぬけがらセンタイです。消風散に入っています。リウマチに使う地竜はミミズです。煎じて飲んだことはあるが特別まずくなかった。地竜を飲むのは関節リウマチの方です。植物性ですがクコのみは薬価未収載です。薬価収載されない漢方薬ってサフランなんてすごくお高いものなります。今のところ大丈夫としか言いようがない。

アレルギーの発症機序の変化

食物によるアレルギーが増えている。特にナッツや果物です。ただしCAP-RASTでCLASSが2以上だからと言って食べてはいけないものではありません。必ずしも一致しないことが広く知られている。加水分解小麦による茶のしずく石鹸の話題から以降、経皮感作が話題になっている。従来とは全く逆の考えになっている。食物抗原の感作は皮膚のバリアが壊れたところからアレルゲンが侵入し成立する。消化管から食べたものはむしろ免疫寛容を起こす。食べて治す治療法がおこなわれるようになった。妊娠中の除去食や授乳中の除去食は全く効果がなく行き詰っていた。そこで今では急速減感作療法がおこなわれるようになっている。抗原特異的IgE抗体検査結果は抗体レベルが高いほど強く感作されていることを表す。感作の強さは抗原暴露による症状の強さとは必ずしも一致しません。CAPーRASTを用いた卵白・大豆・小麦・牛乳についてバイオプロバビリテイカーブが確立されている。バイオプロバビリテイカーブは年齢とRASTから食物アレルギーの方が摂食してよいかを調べる方法です。はずれも多い値です。