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睡眠のお薬

うつ病の初発症状で多いものは睡眠障害と食欲不振です。アメリカではマイスリーを除き不眠症治療の上位4剤は3剤が抗うつ薬だそうです。バルビツール酸誘導体,ベンゾジアゼピン,非ベンゾジアゼピン,メラトニン受容体作動薬そして今オレキシン受容体拮抗薬ベルソムラが大きな期待を受けています。ベルソムラはマイスリー5mgに比べて第三相臨床試験で同等の効果、一日目から有効とのキャッチコピーで発売されました。バリビツール酸誘導体のように自殺できる薬から今のベルソムラのように睡眠のリズムを調整する覚醒物質を調整する薬へとシフトしている。ただベルソムラで昼まで眠たかったといわれる人がいる機序不明です。ベンゾジアゼピンから非ベンゾジアゼピンの3剤ルネスタ光学異性体のアモバン、マイスリーを推奨する時代が来ています。ベンゾジアゼピン骨格を持たない非ベンゾジアゼピンの薬はω受容体に作用しにくいから夜間の転倒がない。ベルソムラはどうもロゼレムよりも聞いたとの実感を感じる人が多い。ベルソムラは65歳以上かどうかで薬の量が異なる。ただしアメリカではもっと少量だそうです。良い天気です、今からきび漢方懇話会に行ってきます。

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン

近年、インフルエンザワクチンが効かないと話題になっている。今年はインフルエンザワクチンが3価から4価になり大きく値上げになる。インフルエンザの製造ラインを新設するからとか点鼻インフルエンザワクチンへのシフトを見越しているとかいろいろ理由はありそうです。中学生以下医療費無料化の影響でインフルエンザにかかればよいという保護者が出てくることも予想される。脳炎は怖い、昔秋田で行われた小児放射線学会でインフルエンザ脳症のMRI像を報告してから24年が経過する。一方効かないワクチンの代表としてインフルエンザうってもかかったという方が少なくない。最近の発表では高齢者の肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを同時接種すると確実に肺炎の予防効果があるそうです。肺炎球菌ワクチンニューモバックスが定期予防接種になり壱年です。風邪はウイルス感染だから抗生物質は使わない時代になっている。ウイルス感染で弱ったところに細菌感染が起こる。今年になりちょっと前に弐歳以下のお子さんと中学生にインフルエンザワクチンを打っても効果が少ないとの報告があったN数が少ないので何とも言えません。しかし子供に肺炎球菌ワクチンプレベナーを接種したため大人にも肺炎球菌の予防効果が出ている。社会から感染症を取り除くためのワクチン接種です。難しいところです。