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感冒の漢方治療

咳嗽は五臓の肺の病気。感冒はまだ肺に入らぬ表証です。西洋医学では表証と肺の病は分けて考えないと思います。温病の風邪には上焦風熱は銀翹散、熱多寒少は葛根湯加桔梗石膏、身熱発疹には升麻葛根湯、傷寒論のかぜ(風寒証)太陽系は麻黄湯、表寒裏水には小青竜湯、傷寒内犯胃腸には葛根湯、太陽病中風には桂枝湯、少邪残留、無汗搔痒には桂麻各半湯、表裏両感証には麻黄附子細辛湯さらには少陽病には小柴胡湯、小柴胡湯加桔梗石膏、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、竹じょ温胆湯、胃腸炎型感冒にはオウゴン湯、黄連湯、桂枝加芍薬湯、桂枝人参湯、気滞感冒には香蘇散、陽虚感冒には麻黄附子細辛湯、経絡中感には五積散そして頭風に川芎茶調散と高山宏世先生はポワーポイントのスライドに記載しておられる。これだけまとめてあるのは覚えるだけでも役に立つ、そのうちゥ使いこなせるようになる。東洋学術出版社の赤本・青本・黄色本をよめばますます充実する。

肺のやまい

2019年2月3日の日本東洋医学会の三県合同講演会で高山宏世先生のスライドが引用された。そのスライドを探したが2004年11月27日(土)三井ガーデンホテル奈良で福岡の高山宏世先生のお話を聞いた時の資料が出てきた。慢性咳嗽を9つに分類するのが高山先生の分類です。肺は気をつかさどるつまり呼吸を行う。肺は百脈を朝す、気血生成の場である。肺は水の上源、水分を全身に配布する。肺は皮毛をつかさどる、皮膚を支配する。咳嗽を肺寒と肺熱に分類する。風寒束肺は麻黄湯、表寒利水には小青竜湯、肺寒支飲には苓甘姜味辛夏仁湯、陽虚肺寒には麻黄附子細辛湯が代表方剤、風熱犯肺には麻杏甘石湯、風熱挟痰には五虎湯、痰熱互結には柴陥湯、陰虚肺熱には清肺湯、滋陰降火湯、麦門冬湯、肝気うっ血には神秘湯と柴朴湯との記載がある。肺の特性宣発作用と粛降作用特徴は五臓の中で意識的コントロールができる。非常に繊細である。奈良まで行くなんて元気な時代です。15年前のお話です。歳を重ねると重ねるほど熟練するのが漢方薬の世界です。アロマやサプリには手を出さず漢方薬が保険で処方できる間は漢方薬で頑張ろう