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大気一転の法

大気一転の法という言葉を聞いたのは15年以上前のことでした。おそらく奈良県立医大特任教授の三谷和男先生の講演で大気一転の法について聞きました。エキス製剤なら桂枝湯と麻黄附子細辛湯を合わせて桂姜棗草黄辛附湯に似た処方を作ります。実際には桂姜棗草黄辛附湯は芍薬を抜いたものです。大気一転の法は病気の方向を変える処方です。太陽病の桂枝湯と少陰病の麻黄附子細辛湯を合わせたのと似ています。太陽病と少陰病では病位が大違いです。ふつうは別々に使う処方を一度に使うから大気一転の法と呼ぶようです。直中の少陰という言葉を聞かれたことはありますか普通は太陽病から少陽病に落ちます。ところが太陽病からいきなり落ちて少陰病に至りますがいきなり麻黄附子細辛湯や真武湯を処方する状態のことです。ともに附子が入っています。三陽の合病という言葉を聞かれたことはありますか葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏のことです。太陽病の葛根湯、少陽病の小柴胡湯そして桔梗石膏の石膏が陽明病です。真っ赤な顔をした状態です。せんじ薬なら柴葛解肌湯です。寒くなり風邪の方が増えています、養生と漢方薬を用いれば風邪は速く治る。