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日本の漢方

日本の漢方では先人の真似をしなさいとしばしば言われます。漢方エキス製剤を2つ使って新しい薬を作ることはタブーとされています。よほどの理由がないと2剤を合法してはいけない。甘麦大棗湯がとても効いた人がいた。子供さんです。今年の春先から私のところに通院中の患者さんはまじめに飲んでいるわけではないが夜中に大声で叫ばなくなったそうです。あるいは甘麦大棗湯は飲み忘れると大声で夜中に叫ぶそうです。甘麦大棗湯は臓燥の薬です。つまりは古典的ヒステリーの薬です。抑肝散と抑肝散陳皮半夏は抑肝散の方が怒りが強い。さらに体が弱ったら抑肝散陳皮半夏だそうです。心の中の怒りを面に出せない人の処方だそうです。柴胡加竜骨牡蠣湯は抗ストレス作用や希死念慮に用いるそうです。四逆散は感情を外にださずストレスがたまった状態で頭が真っ白な時の薬と記載してある。診療報酬で優遇されているので精神科は話をゆっくり聞いてくれる。そのような土壌で漢方薬は処方しやすい。

漢方づくし

週末は漢方づくしでした。漢方薬の講演会は職種限定、さらには診療科限定などいろいろあります。7月2日に漢方研究会を姫路で行う予定でしたが事務局の不手際で流れました。そこで姫路にも講演会でお越しいただいたことがある奈良県生駒市の岡留美子先生の講演を聞きに行きました。会場は当然満席でした。岡留美子先生の話は名古屋でも一度講演を聞きました。そこで初めて神田橋処方についていきました。神田橋処方は桂枝加芍薬湯と四物湯の組み合わせです。もっと正確には桂枝加芍薬湯から派生した処方と四物湯から派生した処方の組み合わせです。鹿児島の神田橋條治先生が作られた神田橋処方はフラッシュバック・PTSDのトラウマのフラッシュバック・発達障害の子供のフラッシュバックの処方です。桂枝湯ではなくなぜ芍薬を倍に増やした桂枝加芍薬湯か?いまだに理解できません。子供なら小建中湯つまり桂枝加芍薬湯に膠飴を加えたものです。話は少し脱線しますが桂枝湯の加減方は本当に応用範囲が広い。当帰四逆加呉茱萸生姜湯や温経湯も桂枝湯加減です。だから衆方の祖といわれます。小建中湯はかなりのお子さんが服用できます。美味しいとまで言われる漢方薬です。

松橋漢方塾

日本東洋医学会でクラシエさんのランチョンセミナーに参加しました。長野県の松橋和彦先生のお話です。ただし残念なのはスマホで写真を撮っている方が前にいたため賑やかでした。まだまだ肖像権と著作権について守られていません。昨年の小児東洋医学会のやん先生もクラシエのランチョンセミナーでよかった。松橋先生のお話はすでに松橋漢方塾の名前で記録集化されております。最近は関西系統中医学講座以外はほとんど漢方薬のお話は聞いていませんから余計に新鮮でした。対薬はいろいろなところでよく話題になりますが3連薬という考えに共感いたしました。もっと方剤が増えて書籍になるとよいと思います。中国でいっぱい勉強されているようで素晴らしいお話です。九州で今年は松橋塾が開催されるそうです。生薬を2つ3つで考えることはとても応用がききます。7月2日に九州でご講演があるそうですが身内に不幸があるやもわからぬため申し込みは控えました。今日で姫路のゆかた祭りが終わります、今年はお城まつりがすでに終わっています。秋まつりまで祭りがありません。先週末は新井信先生がお越しになり貴重な日本漢方の考えを聞きました。あれから1週間です。

正官庄の紅参

正官庄の紅参は6年物で、さらには韓国のソウル近郊のものです。高松の東洋医学会のブースでその正官庄のお茶をいただきました。正官庄の紅参末は漢方エキス製剤とは異なりとかして服用するものではありません。少量なので効果は不明ですが美味しかった。いろいろなメーカーから薬価収載された中国産の紅参末が発売されている。正官庄以外のメーカーは中国産の4年物が多いそうです。正官庄の紅参には病名は不要だそうです。その代り漢方薬と一緒に処方する必要があります。薬価収載にはPMDAではなく中医協が大きな力をもっているみたいです。武田薬品工業のオブリーンは姫路でも発売記念講演会までしたのに日の目を見ない。さらに武田薬品工業は1兆円でカナダの企業の買収に失敗したそうです。今後も武田薬品は買収路線を走ることになりそうです。プラセンタ注射が効かないからサプリメントについてといわせました。注射を増やす方が経済的です。サプリメントはお高いですとのことでした。多くの会社が創薬をやめる方向です。せっかくつくっても後発医薬品になる。デレイグラやユニシアなどの配合薬は特許切れまで6年しかありません。漢方薬でも龍角散のゼリーは高齢化社会で嚥下力が落ちたらよいかもしれません。

麻子仁丸

私は150はいかないが100以上は漢方エキス剤を処方できる環境にある。とても幸せな環境にある。中国の人件費は高騰している、さらに人参が高騰している。薬価かいてのたびに薬価が下がる漢方薬、多くはシェア最大手の会社の漢方薬である。瀉剤では麻子仁丸は比較的よく用いる薬です。麻子仁丸はおなかが痛くなることなく便がよく出ます。瘀血があれば桃核承気湯もある。漢方薬は名称が同じでも効果や構成生薬はメーカーさんで異なります。先日あるメーカ-から珍しくうちの麻子仁丸を使ってくれと言われました。漢方薬は採用したものを変えると患者さんから必ず前のが良かったといわれる。大手の会社の薬は手に入れやすい。しかしこだわりでいろいろなメーカーさんのものを使っている。また、錠剤やカプセルしか服用できない人も多い。錠剤しか服用できないのはあっていないのかもしれません。大黄が入ったものでは大便の出方が患者さんにわかる。他院で処方されたある会社の麻子仁丸が全く効かない、2剤服用しても効かないといわれました。同じメーカーの葛根湯でも錠剤や顆粒・細粒でおおきくこかがことなるしかつ
生薬の量が異なることもある。

アレルギー学会と思ったら

今日は父の日でした。今週末は国際フォーラムのアレルギー学会とアレルギー専門医講習会に参加するつもりが東京から有名な漢方薬の講師の先生が姫路にお越しになると聞き日曜日だけ参加しました。アレルギー学会やアレルギー講習会も東京偏在でさぼっていると専門医の更新ができません。みうちの49日ですがアレルギー専門医講習会にお金を振り込んでいたので残念ですが参加できません。昨日姫路に見えた有名な漢方薬の講師とは新井信先生です。薬剤師で医師免許もお持ちの先生で現在は東海大学医学部准教授です。日本漢方ですが体力の虚実とは別に邪実があるという話です。中医学では全く当たり前の話です。しかし日本東洋医学会の先生の話としてはuniqueでした。とても分かりやすいまとまったお話でした。漢方薬処方はできるだけ一剤でという日本東洋医学会の専門医の更新には有用なお話でした。普段学んでいる系統中医学は漢方エキス製剤は道具であるというのに対して合方するにはよほどの理由がいる。自分で作ってはいけないという論理でした。答えは患者さんどちらが良いか決めるものです。

ノンコメドジェニック

ニキビの話の中でノンコメドジェニックという言葉を耳にする様になりました。ノンコメドジェニックのコメドとは毛穴に角質や皮質がたまった状態です。つまりノンコメドジェニックとは面皰を誘発しにくいとの意味です。乾燥したニキビの下地はヘパリン類似物質をお勧めしていますが保険適応外で選ぶならノンコメドジェニックと記載があるものを選ぶとよいそうです。漢方薬のご縁で尋常性ざ瘡を見せていただくことが多くなりました。尋常性ざ瘡ガイドライン2016が登場し新しい薬の使い方が示されています。JUNEBRIDEの関係でニキビ治療を積極的に行う時期のようです。毛穴が詰まるのは角化・乾燥・皮脂分泌過剰など原因だそうです。ゼビアックスローションが登場しましたが3ヶ月以上は使わないことが推奨されています。私もゼビアックスは2本使用したらベピオやデイフェリンゲルに変えています。最近はクリンダマイシンは4割耐性というのでデユアック配合ゲルは使っていません。アダパレンやBPOは使いにくい2.5パーセントで接触性皮膚炎を起こすからです。3日ぐらいは顔の一部に塗ることをお勧めしています。顔が赤く腫れあがるのが怖いからです。雨が降ってきました今日も暇ですね。オンライン請求も終わり眼科検診も終わりMRさんにもご遠慮いただいてますので木曜日はゆっくり仕事ができます。

ウコン

ウコンにも3つのウコンがある。秋ウコン、春ウコン、、紫ウコンです。主なものは秋ウコンです。日本東洋医学会の医療安全講習が終わって朝10時会場から出るとブースから私を見ている人がいる、名古屋の生薬メーカー松浦薬業のうちの担当者です。私のところの寺の花まつりで使う甘茶やお屠蘇をお世話いただいています。ウコンのはなしが松浦薬業さんの東洋医学会のブースで大きく記載されていました。ウコンは生姜科の多年生植物秋に花が咲くものを秋ウコン根茎はクルクミンが多くお酒のおともに同族種の春に花が咲く春ウコンはクルクミンが少なく精油成分が多いそうです。松浦薬業さんも漢方薬の保険はずしに対抗し新しい剤型を開発しておられる。コタローさじクラブのラインナップもすごいが松浦薬業も生薬を扱っているだけあって面白いOTCのものを開発されています。テイコクはかつては業界3位だった思いますが今は日医工さんに販売を任せているそうです。厳しい漢方業界そして漢方薬が保険から外れたら私は漢方をやめるいう医師は多い。

エクオール

大塚製薬のエクオールをご存知です。40歳を超えると遅かれ早かれ卵巣機能が落ちてくる。HRTか漢方薬という世界に入ってくる。エクオールの良いところはエクオールを作れるかどうか尿検査でわかるところです。検査には3800円かかりますが超一流の大塚製薬が作っているから安心です。むちゃくちゃ効くかは?です何故なら薬価未収載だからです。お迎えの薬局には置いてありました。どこでも薬局なら置いているかといえば登録販売者ではなく薬剤師がいる一類医薬品を販売している店しか販売していません。私のところでも更年期の漢方薬だけでなくプラセンタの注射を希望される方がおられる。メルスモンのサプリメントはむちゃくちゃ高いが注射は保険適応があり3割負担で一回500円です。かなりお得感があります。納豆豆腐に踏まれる大豆イソフラボンに女性ホルモンに似た働きがあるのは誰でも知っている。そのイソフラボンを腸内細菌が分解して作るエクオールが更年期障害に有効であることが分かっています。ただしえくーるを作れるのは日本人女性の2人に1人です。お迎えのドラッグストアではなく調剤薬局は女性スタッフばかりだから安心です。プラセンタ注射や漢方薬なら私のところを受診なさってください。

人参

紅参に対する言葉が白参です。いわゆるお種人参は一年物はやくぜんでてんぷら、3年物は良く出回る、4年目から薬として使えるそうです。5年目からは湯通しして高く売れるようです。天然ものに近くするため5から6年物を山に移植するそうです。これを移山参というようです。人参は虫に弱く日光に弱い。生干し人参は効果が今一つ。天然の人参は横線が入り栽培物は縦線が入っています。中国ではショック状態以外は人参ではなく党参を使うようです。貧血には党参が良いそうです。西洋人参というのもあります。人参は邪があると使えないが党参は邪があっても使えます。スーパーに売っているのはセリ科の人参です、西洋人参はウコギ科です。西洋人参は昔フランスいま中国だそうです。人参はよこじわは天然ものです。移山参は天然ものに近くする為やまに移植したものです。西洋人参は昔はフランスで作られたから西洋人参です。スーパーで売るものとは違います。補う力は弱い。太子参は潤す力がある。中国では党人が良く使われる理由は邪があっても使えるからだそうです。