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こころと体の弁証論治

松橋和彦先生の松橋漢方塾は第三回で終わってしまった。松橋漢方塾には一回しか参加できませんでした。松橋漢方塾は対薬理論で見てみましょうというスタンスで方剤を分解してゆきます。こころの漢方治療は精神科とは異なり長く面談しないのがコツのようです。そのためにはカウンセリングテクニックを身に着ける必要があるようです。患者さんは相手が占い師でもカウンセラーでも何か聞いてほしい。そんな方が漢方診療の丁寧な問診という言葉を勘違いされていることをしばしば経験してきた。一方的に医療者は話すのもよくないが門指標の内容を再確認することこそ問診という四診の一つと考えます。難しいもの、双極性障害などの難し物はまず精神科・身体症状があれば心療内科。こころの問題は心と肝に絞って問診票を読み解くことが大切であると思う。使える薬はせんじ薬でないとかぎられる。五臓の中で心と肝が重要な臓器です。心は神志をつかさどる、意識知性理性をつかさどる。精神神経活動をつかさどる。心血虚では精神神経活動が抑制される肝は情志をつかさどり感情・本能と関係する。肝は支配欲とも関係する。支配欲は他人に従ってもらいたいこと影響を及ぼしたいことを指す。加味帰脾湯は心脾両虚の薬です。加味帰脾湯では加味とは柴胡山梔子を指します。柴胡は肝、山梔子は心の熱を冷まします。肝と心は相性の関係にあります。柴胡加竜骨牡蠣湯、加味逍遥散、抑肝散加陳皮半夏は肝の薬です。心の症状は健忘・不眠・多夢です。心血虚は落ち込み肝気鬱結は興奮です。漢方松方塾は大変すばらしい講演会でした。