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安全配慮義務

安全配慮義務という言葉を聞かれたことはありますか?安全配慮義務は事業主に課せられた義務です。民法上の根拠は415条の債務不履行違反や708条の不法行為責任に基づきます。安全配慮義務は「労働者の生命や健康が業務上の危険から間もおられるように配慮することです」違反すると事業者に民事責任が課されます。労働衛生の世界では常識です。一般の方には非常識です。この言葉はD通事件で有名になりました。4日に1日は徹夜という状態を大手広告代理店が放置した。そして自殺に至った。まじめすぎる性格や両親のケア不足とされました。しかし最高裁でひっくり返りました。H12年のことです。安全配慮義務は結果回避と危険予知に集約されます。判例法の世界です。HIV感染の看護師が職場にHIV感染症であることを知られ休職更には退職したのは勤務先にHIV感染症であると知らせた受診した大学病院の責任であると訴訟を起こした事件が今日の新聞に記載されていました。HIV感染症は機微な情報です。普通デリケートなので修正して報告することになっています。身近な例で具体的にはうつ病の人には会社の報告には病名を用いないということです。非常に機微な情報は取り扱いが難しい。平成24年6月11日に健康情報取り扱いについて通達が出ています。