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ドライアイと低濃度ステロイド点眼液

TFOTはTear Film oriented Therapyの略だそうです。Tearfilmは涙液層のことです。ドライアイが炎症と関係あることは確かです。ドライアイの患者さんにステロイド点眼液を処方するとよいと聞き処方しようとしたが患者さんに断られる。これが偉い眼科医だとみんな喜んでステロイド点眼液を使っていますよといわれます。さらにはステロイド点眼液から離脱できないとまでいわれます。アメリカではレスターシス点眼液以外はドライアイ治療薬として認められていません。アメリカではドライアイは炎症であり免疫抑制剤による消炎のみがドライアイ治療として認められています。さらにヨーロッパではドライアイに対してこれという治療はないそうです。一方、日本では角膜上皮障害と涙液の安定性の低下にドライアイが大きく関係していると考えられています。日本では今までは水を足すだけでしたが涙という水の中にムチンを分泌する薬が世界に先駆けて発売されています。そこでTFOTという考えが生じました。涙のコンポーネントである脂、水、ムチンをそれぞれ補うことがTFOTの考えに基本です。理論どうりにいくかどうかわかりませんがTFOTで考えられていることが実践されたら日本から世界へドライアイの治療が発信するようになる日がくるでしょう。