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厳格管理の功罪

生活習慣病に対して管理目標値が低ければ、低いほどよいというのが1990年代から普及し続けてきた。大規模臨床試験で血圧や脂質の降下療法の有効性を示す結果が蓄積してきた。その結果低血糖や過度の降圧で転倒や骨折を招いた。患者にとって不利益なことが増えた.厳格な治療に私も疑問をもっていた。冠動脈疾患のLDLや若い糖尿病のHbAは下げた方がよい。これは誰でも同じと思う。大規模臨床試験の結果ヘモグロビンA1を6.5以下にすれば合併症が減少することが覆ってきた。心血管エベントの発生や総死亡率に優位さがなくなってきたのである。